





シーズン中に異例のスイッチで
“ミラクルアヤカ”にギアチェンジ
2020‐2021シーズンの女子ツアーは年またぎの52試合という長丁場ながら、賞金レースは最後の最後までもつれた。シーズンも終盤に差しかかる9月の時点で、7000万円以上の差をつけられていた女王・稲見萌寧を猛追して、ツアーを盛り上げたのが“プラチナ世代のエース”こと古江彩佳だ。
逆襲ののろしを上げたのは、アマチュア時代の2019年に優勝した大会であり、ホステスプロを務める「富士通レディース」(10月)での勝利だった。3ホールのプレーオフでは、ティショットでしっかりとフェアウェイをキープして競り勝つ。翌週の「マスターズGC レディース」(10月)は、フェアウェイキープ率89%、パーオン率83%という持ち前の安定したショットで、自身2度目の2週連続Vを決める。極めつけは「TOTOジャパンクラシック」(11月)。最終日はフェアウェイキープ率100%、パーオン率89%のハイアベレージで、史上2番目の若さでツアー通算7勝をマークした。
マネークイーンの座をかけてツアー最終戦(リコーカップ)まで食らいついたが、最終的には844万円差まで追い上げて賞金ランク2位でフィニッシュ。シーズンを通して6勝を挙げて、トップ10入りは22回(2位)を数えた。その健闘が実って、賞金女王と並ぶビッグタイトル「メルセデス・ランキング」(年間最優秀選手=MVP)を逆転でつかみ取る。
シーズン大詰めでのミラクル的な古江の快進撃。転機となったのは、前年にプロ初優勝を決めた「東海クラシック」(9月)だった。実はこの試合から、ドライバーをブリヂストンのニューモデル「Bシリーズ B1」にチェンジ。とりわけ女子ツアーは試合が詰まっていることもあり、シーズン中に女子プロがエースのクラブを替えることはなかなかない。それでもスイッチに踏み切ったのは、本人が「秋に替えたドライバーは、スコアメークにあたり大きな武器になりました」と言うほどフィットしたから。それまで使っていたドライバーは、夏の海外遠征中に思うような球が出なくなったというが、心強い新エースを手に入れた古江のゴルフは一段上へギアチェンジ。史上まれに見る猛チャージの原動力となった。

- 2021/11
- TOTOジャパンクラシック 優勝
- 2021/10
- マスターズGCレディース 優勝
- 2021/10
- 富士通レディース 2021 優勝
- 2020/11
- 大王製紙エリエールレディス 優勝
- 2020/11
- 伊藤園レディス 優勝
- 2020/9
- デサントレディース 優勝
- 2020/9
デサントレディース 優勝 - 2020/11
伊藤園レディス 優勝 - 2020/11
大王製紙エリエールレディス 優勝
- 2021/10
マスターズGCレディース 優勝 - 2021/10
富士通レディース 2021 優勝 - 2021/11
TOTOジャパンクラシック 優勝





ゴルフの生命線となる
ドライバーがドンピシャ
「私はティショットでゴルフを組み立てるので、フェアウェイキープを重視しているんです」。ドライバーの精度がスコアメークの生命線ともいえる古江は、シーズン終盤に「B1」をバッグインしてから11戦で3勝(トップ10入り7回)と高い勝率をマーク。だからこそ「B1」への厚い信頼を発信していた。
「富士通レディース」で勝ったときは「新しいドライバーに替えてから飛距離と方向性が良くなり、今回の優勝にも大きく貢献してくれました。ミスしても直進性が高くて、フェアウェイキープもしやすいです」とコメント。2連勝となった「マスターズGC レディース」では、タフなコースセッティングの中でも「新しいドライバーで高いフェアウェイキープ率と飛距離UPで攻めることができて、信頼するブリヂストンのギアで勝てました」と、中学生から使い続けているという“ブリヂストン愛”を口にする。「TOTOジャパンクラシック」は、最終日にノーボギーで締めてチャンピオンに。「勝負どころでバーディをしっかり獲れたのは、最終日にフェアウェイキープ率100%だったドライバー(のおかげ)でした」。
今シーズンのスタッツからも、古江の強さと好調なドライバーの相関関係が見えてくる。「ドライビングディスタンス」は56位でも、本人が再三に渡りコメントしていた「フェアウェイキープ率」が5位と、ティショットがとにかく散らばらない。それによって「トータルドライビング」9位となり、ツアー屈指の“ドライバー上手”であることが示された。前述したように「ティショットでゴルフを組み立てる」というプレースタイルだからこそ、フェアウェイを的確にキャッチすることが「パーセーブ率」2位という安定感につながる。それでいて「イーグル数」と「平均バーディ数」が3位と、爆発力も兼ね備えている。もっと細かくデータを見ると、決勝ラウンドとファイナルラウンドの「平均ストローク」がともに1位と、試合終盤にかけての勝負強さが際立っていた。フェアウェイを捉えるドライバー「B1」を起点にしたコース攻略が「平均ストローク」2位という好成績につながったと見て間違いない。





















トゥ寄りに当てて
軽いドローが打てる
古江は「B1」のヘッド後方に装着されているアジャスタブルカートリッジ3.0をヒール寄り(D1)にセッティングしつつ、ソールに鉛を貼って使っている。実際にこのドライバーについて、どう感じているのか。「B1」を使うようになったポイントやタイミングをこう話す。
「打感や振り心地がとても気持ちよくて、安定性と飛距離の面で優位性を感じたので使い始めました。十分に試打を重ねて、飛距離と方向性の安定感を感じたんです。『B1』は最初から好印象ですぐに替えたかったのですが、7~8月と海外遠征もあったので、帰国して試打を繰り返して切り替えました」
「B1」というドライバーの気に入っている点について、こう続ける。
「イメージ通りの球を打ちやすいので、飛距離と安定感がより良くなった気がします。また、使い続けているうちに分かったのは、風にとても強くて、その結果、平均飛距離も飛んでいると思います」
それでは「B1」というドライバーを使うことで、どういう球が飛ばせるのか。その貢献度とは?
「少しトゥ側でヒットすることにより、軽いドロー目のボールがしっかり打てるので、ドライバーショットがより安定するようになりました。それによって、セカンドショット以降の流れが良くなったのが、好結果に結びついたと思います。私がドライバーに求めることは、ズバリ『安定性』です。長打で勝負するより、トータルのマネジメントでスコアメークをするので、まずはドライバーで安定したフェアウェイキープを心がけたい。それに応えてくれるドライバーを求めています。『B1』は言うことナシ、最高のクラブです!」


