2000年前後に一世を風靡したブリヂストンの“プロキャビ”アイアン。そのDNAを受け継いだ新モデルが、ここにきてツアーでの話題を集めているという。その理由はどこにあるのか調査してみた。
写真/野村知也、三木崇徳
協力/サザンヤードCC
プロの要求を具現化した
2つのツアー仕様ソール
ブリヂストンのプロキャビといえば、かつてアイアンの代名詞のひとつに数えられる存在だった。その理由は、打感、ヘッド形状、操作性といったプロのこだわりを忠実に具現化していたから。最高峰の舞台で認められたアイアンは、アマチュアゴルファーにも浸透し、数々の人気モデルを輩出した。『X5000』や『TS‒201』などはその好例だろう。
そして今夏、ツアーで話題なのが『221CB』と『222CB+』という新モデルだ。見た目に往年の名器を彷彿させるが、とくにこだわり抜いたのが“ソール形状”。ここがプロから高い評価を受けているという。
『ツアーコンタクトソール』と名付けられた形状は、幾多のソールの削りを施した試作品をツアーの現場に持ち込み、テストを繰り返し誕生した。221CBのソールは、男子プロに多いダウンブローに合い、222CB+のそれは、女子プロ的なゆるやかな入射角によりマッチするという。
打感、形状、操作性にプラスし、ソールもプロのリクエストを全面的に採用した新アイアン。スコアを最重視するゴルファーにドンズバでハマりそうな気配だ。

男子プロ的なダウンブローに合う
上から打ち込んでも刃が突っかからず、ソール後方の抜けもいい。ヒール側を大きく残しているのも特徴
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宮本勝昌
「ソールの抜けの良さがすごくいい。打感も最高ですね」 -
清水大成
「滑りつつ打感も感じる抜け感がいい。4Iもスピンコントロールしやすいです」

女子プロ的なゆるやか軌道に合う
ハンドファーストが強くなく、ゆるやか軌道でボールを拾っていくようなタイプに合う形状
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吉田優利
「高さも操作も程よい。特にロングアイアンのやさしさは魅力です」 -
三ヶ島かな
「大きくて安心感がある。距離も高さも出るのでおススメです」
アイアンの
“本当”が
凝縮されている
打ちこなせたら
かっこいい
本格派マッスルバック
さらなるぶ厚い打感やより高い操作性を求めるプロや上級者に向けて『220MB』も用意されている。“ザ・マッスルバック”ともいえる非常に美しいデザインだ(7Iのロフト33度)
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宮里優作
「ライに応じて構えやすい。球を包み込む感触で思い通り打てる」



プロや上級者がやっているアイアンを組み合わせる“コンボ”セット。形状が似ている221CBと222CB+なら上手くハマりそうだが……プロの意見を聞いた
打感や顔が似ていることが
コンボの条件
「この2モデルのコンボ、ズバリおススメです」と言うのは、試打を担当した内海大祐プロ。
「コンボのポイントは①打感、打音の差が少ないこと②顔の雰囲気が似ていること③異なる目的を達成できるか、この3つです。221CBと222CB+なら①と②はまったく問題ない。③も221CBでは操作性や縦距離を揃えることを求め、222CB+で球の高さや寛容性を求める、など目的の違いが明確になる。ここまで違和感なくコンボできるものも珍しいです」
では推奨のコンボは?
「私なら5、6番がCB+、7番以下をCBですね。ヘッド速度が40 未満なら、7番までCB+もアリです」

試打・解説 内海大祐 プロ
ETGS千葉校エグゼクティブインストラクター。試打経験が豊富でクラブの性能差を敏感に感じ取る

「コンボアイアンにする理由は、役割分担ができること。7I以下は確実にグリーンをとらえていきたいクラブ。5、6Iは高確率でグリーンの近くまで持っていきたいクラブ。そう住み分けすることで、ゴルフ自体がやさしくなるはずです」(内海)
※コンボアイアンはカスタムで対応可能

顔、飛び、打感、操作性
すべてが揃ったアイアン
「打ち出し角が思ったより高くて、最高到達点も高い。ソールの出来はやっぱりいいですね。ソールの前部分が削ってあるから刺さらないし、フォローでの抜けもいい。安定したキャリーボールが打てます」(内海)


丸みのある幅広ソールが
抜けの良さと寛容さを両立
ヘッドがやや大きい分、安心感があります。こちらもソールが優れていて、手前から入っても抜けてくれます。低重心でボールはかなり上がりやすいので、これなら5、6Iも打ちこなせるでしょう」(内海)
