ビーム
概要
構造
- 3重カバー4ピース
発売
- 1998年
メーカー希望小売価格
-
700円
※発売当時の価格です
商品特徴
“ゴルフボールにもスイートスポットを”という新概念から生まれたフルスイートスポット構造4ピース。
BRIDGESTONE
GOLF BALL LIBRARY
- COLUMN -
1997年頃になると、ブリヂストンのソリッドボールはツアーの世界でもアマチュアの世界でもますます人気が高まり、それとともに次々と新技術、新構造を開発。ソリッドボールのブリヂストンの座は揺るぎないものになっていった。
当時のブリヂストンの新技術、新構造を示すひとつの例が、フルスイートスポット構造3重カバー4ピースの『BEAM』だった。
94年に発売された3ピース構造の『Newing』が相変わらず大ヒットしていたが、そろそろそれを超えるボールの開発が望まれていた。構造的にも3ピースを超えるものとして4ピース構造が採用されたわけだが、もっとも大きな特長は「全芯4ピース」と呼ばれた通り、つねにスイートスポットをとらえた飛びが得られる点にあった。「ボールにもスイートスポットがあってもいいじゃないか」という発想からスタートしたボールだった。
だれでも経験するように、クラブのスイートスポットを外すと、ボールのつぶれ量が少なく、十分な反発が得られないために飛距離も落ちてしまう。ということは、スイートスポットを外してもボールの適度な変形量を確保できれば、ミスヒットしたときでもナイスショットのときと同じような飛距離が得られるということになる。
これを可能にしたのが、3重カバーである。2層目を特に柔らかくすることで、ミスヒットしても十分につぶれるため、大きな反発が得られる。しかもコアも『Newing』よりさらに柔らかく、これによっても変形が大きくなり、反発が増す。
だが一般的には、インパクト時のつぶれが大きく、接触面積が大きくなると、スピン量(サイドスピンも含めて)も増えるため、曲がりが大きくなりやすい。十分につぶれたとしても、サイドスピンが増えて曲がってしまったのでは、フルスイートスポットの意味はなくなってしまう。
このデメリットを解決したのもまた、3重カバーだった。特にもっとも内側の第3カバーが、接触面積に対して接触時間が短くなる効果を発揮。その結果、スピン量が抑えられ、曲がりも少なくなる。曲がりが少なくなれば、それによっても飛距離が出る。ミート率が安定しないアベレージゴルファーにとっては、打ってつけのボールだった。
この当時、依然として爆発的なヒットを続けていた『Newing』は、どちらかといえばやや非力なゴルファーがメインターゲットだった。これに対して『BEAM』は若い層をも取り込み、「全芯4ピース」のキャッチはアッという間に広まっていった。『BEAM』は多層構造ボールの先駆けとなったという点でも画期的なボールだった。3層の実力は『Newing』ですでに十分証明されていた。さらにその上をいく4層構造はブリヂストンとしても『BEAM』が初めてで、その後、3層あるいは4層が当たり前になる流れをつくったボールでもあった。
発売後2ヵ月余りで13万ダースを売り上げる大ヒットとなり、これを受けてやがて『BEAM』はクラブも誕生。フルラインナップの展開となった。