ツアーステージMC392S
概要
構造
- ハイスピンカバー2ピース
発売
- 1999年
メーカー希望小売価格
-
800円
※発売当時の価格です
商品特徴
飛距離・フィーリング・スピン性能を高次元で満たした究極のプロ仕様ハイスピン2ピース。
BRIDGESTONE
GOLF BALL LIBRARY
- COLUMN -
ブリヂストンから、「トッププロの感性とブリヂストンの先進技術を結集したトーナメントモデルブランド」として「TOURSTAGE」が誕生したのは、1997年である。
ドライバーでは「TOURSTAGE X100」、アイアンでは「TOURSTAGE X1000」などが大きな話題を呼んだ。ボールでは『TOURSTAGE MC432』、『TOURSTAGE MC-D392』などが誕生した。
とりわけ完成度が高かったのが『MC 432』だった。マルチコントロールを開発コンセプトに、「よりソフトなフィーリング」と「飛距離」を追求した新感覚のプロ・上級者仕様の2ピースボールで、TOURSTAGEブランドにふさわしい性能を完全に満たしていた。もちろんツアープロたちからも絶対の信頼を寄せられた。ただしなかには、「まだちょっと硬いかな」、「スピン性能もいいけれど、糸巻きに比べたら若干少ない」といった声があった。
こうしたことから、カバー、コアともに『MC432』より一段と柔らかくし、それでいながら反発を上げることに成功したのが、1999年に登場した『TOURSTAGE MC392S』である。言ってみれば、『Reygrande WF』と『MC432』のいいところだけを取り出してひとつにしたソリッドボールといってもいいだろう。
特に際立っていたのが、固いグリーンでも止められるスピン性能である。ハイスピンソフトカバーにより、「低く打ち出してキュッと止める」プロ好みのアプローチショットなど、精度の高いスピンコントロールが可能になった。またアイアン領域でも高いスピン性能を発揮。これによって、「ソリッドボールは糸巻きよりもスピンがかからない」という声は完全に消えた。
かといって、ドライバーではスピンが多くなって吹き上がるという心配はなかった。当時国内のツアーで活躍していた丸山茂樹もこのボールを使っていたが、「ドライバーは今までとまったく変わらずよく飛ぶし、アプローチでのスピン量がまったく違うので、非常によく止まる」といっていた。最近では、ドライバーでは低スピンで飛び、アイアンではスピンがかかるというボールが主流だが、『MC392S』はその先駆けとなったボールでもある。
また、パターでのソフトなフィーリングを実現したという点でも、糸巻きにこだわるプロを黙らせるに十分だった。これは新開発のハイスピンカバーと高反発大容量コアの組み合わせで実現したもの。糸巻きバラタカバーに引けをとらないソフトフィーリングと打球音は、当時高速化が進みつつあったトーナメントグリーンでも微妙なタッチが出しやすく、これまたツアープロが信頼を寄せる理由のひとつだった。
ちなみにこの年、国内の男子ツアーでは32戦中、『MC392S』をはじめブリヂストンのボールが21勝を挙げている。勝率にすると約65%だ。女子ツアーでも30戦中12勝で、40%。その前年が男子は36戦中19勝、53%。女子は35戦中15勝、43%。ソリッドボールの進化とともに確実に勝率を上げていることがわかる。